44.太陽から地球へくるエネルギーは?

 太陽からは、いろいろな形のエネルギーが放出されています。太陽風はそのうちの1つ。太陽から放出しているエネルギーの中で最大のものは、光のエネルギーです。地球で受け取る太陽光のエネルギーは、1平方メートルあたり約1.4キロワットにもなり、この値は太陽定数と呼ばれています。光のエネルギー量は比較的安定しており、太陽活動周期に伴って太陽黒点数が増減しても、変化はたったの0.1%程度。

 2番目にたくさんのエネルギーを太陽から運び出してくるのが、ニュートリノと呼ばれる粒子です。ニュートリノはどんな物質でも透過してしまう性質があるので、エネルギーは多くても、地球環境にはほとんど影響しません。

 そして、3番目が太陽風。太陽風が太陽から持ち出してくるエネルギーは、光に比べると100万分の1程度にしかなりません。しかし、太陽風は太陽黒点の増減に応じてその構造を大きく変え、また太陽圏の中の磁力線の構造も大きく変わるので、地球環境との関係において重要です。

45.太陽風は地球の環境に影響しているの?

 私たちが暮らす地球の環境と太陽風には、深いつながりがあります。まず、太陽風の変動によって、地球周辺の宇宙空間には時々乱れが発生します。この宇宙空間の乱れにより、人工衛星の機器に異常が発生したり、無線通信が途切れたりします。また、地上の電気設備や海底ケーブルなどに異常電流が流れ込み、それが原因となって、重大な障害が発生することもあります。私たちの暮らしは、今後ますます、電子機器や情報通信に依存して行くでしょう。それとともに、太陽風の変動が引き起こす様々な影響は、もっと深刻な問題になって行くはずです。

 太陽風の影響は地球気候の温暖化や寒冷化にも関連している、と指摘する研究者もいます。たとえば、太陽風によって地球に降り注ぐ銀河宇宙線が増減し、これに伴って上層大気の雲の量が変化して、地球に入ってくる太陽光エネルギーが増えたり減ったりするというものです。宇宙線が雲をつくる核になるというわけです。ただ、本当にそういうことが地球規模で起こっているのかどうか、まだ分っていません。これからの研究が必要です。


銀河宇宙線が雲をつくる