40.太陽風で宇宙ヨットは走るの?

41.太陽風(惑星間空間)の磁場は、どうなっているの?

 太陽風は、弱いながら磁気を帯びています。

 地球が磁石になっていることは、皆さんよく知っていますね。地球が磁石である効果は、地上だけでなく、上空の宇宙空間でも観測されます。

 しかし、太陽風で感じられる磁気は、地球から発生したものではありません。太陽が原因なのです。12で述べたように、太陽は強力な磁石の性質を持っていて、その磁気が太陽風と一緒に流れ出しています。それなら、太陽風の中で観測される磁力線は、太陽の方向を向きそうですね。でも、実際の磁力線の向きは、地球付近で太陽に対して斜め45度ぐらいの方向です。太陽が自転しているために、太陽風の中の磁力線はまるで蚊取り線香のように、太陽からぐるぐると渦を巻くように延びているのです。

 太陽風という“風”を帆に受けて、スイスイと走る宇宙船(宇宙ヨット?)があったら、カッコいいですね。実際、そのような宇宙ヨットは可能です。でも、途方もない大きな帆が必要になります。風圧というのは、流れの速度と密度(濃さ)によって決まります。太陽風の速度はとても速いのですが、39で述べたように密度が非常に小さいので、全体で見ると、太陽風の風圧は微々たるものにしかなりません。

 一方、光もエネルギーの流れですので、それを浴びると一定の力が働きます。それが光圧です。太陽からは、強力な光が放射されています。その光のエネルギーは、太陽風のエネルギーの100万倍も大きいのです。それでも、空気の摩擦力や地球大気の風の力に比べると、光圧は微弱です。

 ですから、太陽の光圧を地上で、推進力として利用することはできません。でも、真空状態の宇宙空間では、有効な推進力となります。太陽光を利用した宇宙船はソーラーセイルと呼ばれ、現在研究が進められています。近い将来、実現するかもしれません。