36.太陽風はどこまで吹いているの?

 太陽風は、太陽から遠ざかるにつれて、圧力が弱まっていきます。そしてやがては、星間空間を漂うガスの圧力と釣り合うところで、太陽風の流れは止まります。この太陽風が止まるまでの空間には、太陽圏 heliosphere −ヘリオスの支配する空間−という名がついています。ヘリオスとは、ギリシャ神話に出てくる太陽神。毎朝、東の空から戦車にのって駈けあがり、大地を照らすと言われています。

 それでは、太陽圏の境界はどこにあるのでしょうか。1977年に、ボイジャー1号が太陽圏の境界に向けて打ち上げられました。太陽と地球の間の距離は、1天文単位と表わされます。ボイジャー1号は現在、地球から70天文単位の距離まで行きました。それでもまだ、境界には達していません。しかし、太陽圏の境界から出ていると思われる、2-3 KHz の低周波電波を受信し始めています。境界は100天文単位ぐらいと想像されていますが、この距離は太陽の活動によって変わります。あと2-3年程で境界にたどり着くと予言している学者もいますが、さて、この予言は当たるでしょうか?

37.太陽風の速さはどれくらい?

 太陽風は、太陽から出発して、太陽半径の10-20倍の距離を旅する間に加速されます。地球付近を吹いている太陽風は、遅いもので300-400 km/秒、速いものでは800 km/秒にもなります。

 秒速400 km ってどれくらいの速さなのか、皆さんは想像できますか? 新幹線の東京駅から岐阜羽島駅まで、たった1秒で到達するほどなのです。

 それでも、太陽から地球までは4日もかかります。地球付近の太陽風の中を、音(プラズマの粗密波)が伝わる速さは50 km/秒ほどですから、太陽風は音よりも10倍も速い、超音速の風です。太陽から黒点がほとんど消え、太陽活動が静かになると、不思議なことに、太陽風はほとんどが、遅い風(400 km/秒以下)と速い風(700-800 km/秒)の2成分になります。中間の速さの風はあまり吹きません。