34.太陽風を吹き出し続けたら、太陽はなくなるの?

 太陽は誕生して以来、ずっと太陽風を吹き出していると考えられています。そしてその量は、1秒間に100万トンという、ものすごい量。こんなにたくさん吹き出してしまうと、いつの日か太陽がなくなってしまうかもしれません。ちょっと心配になってきたので、計算してみましょう。

 太陽が、太陽風を吹き出すことで1年間に失う質量は、30兆トン。一方、太陽の重さは30兆トンの70兆倍ですから、太陽がなくなるには約70兆年かかってしまいます。2でお話ししたように、太陽の寿命は残り50億年ぐらいですから、太陽風が吹いても、太陽はほとんど重さを変えません。

 太陽がいかに巨大な星か、分りますね。皆さんも、電卓片手に計算にチャレンジして下さい。

35.太陽風はどうして吹くの?

 100万度という高温のコロナガスは、強い圧力を持っていて、太陽の強力な重力を振り切って惑星間空間へと膨張し、吹き出すことができます。この惑星間空間へ吹き出したガスが、太陽風です。

 では、太陽の重力は、太陽風が吹くのを邪魔しているのでしょうか。ちょっと意外かもしれませんが、実は、太陽風を高速に加速する役目をしているのです。花火の爆竹に例えると、分りやすいかもしれません。太陽の重力は、ほんの少しの火薬をぐるぐると包んでいる、紙筒の役目をしています。爆竹から火薬だけを取り出して火をつけると、ボッと小さな音で燃えるだけですが、紙筒で包まれた爆竹に火をつけると、強力な爆発をします。紙筒が、燃えた火薬の圧力を中に閉じこめ、外との間に大きな圧力の差を生み出し、限界に達したとき一気に爆発するからです。

 太陽の重力は、コロナが膨張しようとする高い圧力を閉じこめ、惑星間空間との間に高い圧力差を作ります。この圧力差のおかげで、コロナのガスは秒速何百kmという超音速のガスとして、惑星間空間に吹き出すことができるのです。