31.太陽風ってなに?

 22で触れた太陽風について、説明しましょう。コロナのガスは温度が100万度以上にもなるため、水素原子は陽子と電子に分解しています。陽子と電子を主成分とするコロナガスは、外に流れ出し、惑星間空間を毎秒300-800 kmの速さで吹いています。このガスの流れを太陽風と言うのです。

 太陽風の成分のほとんどは、プラスの電気を持った陽子と、マイナスの電気を持った電子です。このような電気を帯びたガスをプラズマと言います。太陽風にはプラズマの他に、ヘリウムや酸素、シリコン、鉄など、重い原子のイオンが数パーセントほど混じっています。プラズマは磁力線を閉じこめる性質があるので、太陽風は、太陽の磁力線をも惑星間空間に引っ張り出してきます。つまり、太陽風は磁気と電気を帯びたガスの流れなのです。

32.太陽風はどうやって発見されたの?

 昔は、惑星間空間は何もない真空だと思われていました。そして、太陽フレアが発生したときだけ、オーロラを光らせるものが宇宙空間に放出されると考えられていました。しかし、彗星の尾のたなびき方を調べたドイツの科学者ビヤマンは、惑星間空間には、太陽からの光のエネルギーの他に何かが流れている、と発表しました。1951年のことです。そして1958年、その何かが「太陽から流れ出した、電気を帯びたガス」であることを、アメリカのパーカーが理論的に予言しました。4年後の1962年には、金星に向けて打ち上げられたマリナー2号探査機による観測で、その予言の正しさが証明されたのです。太陽風、英語で solar wind の名つけ親は、このパーカーです。

 なぜ、それまでこの風の存在が分らなかったのでしょうか。理由の1つは、地球の磁場が邪魔をして、私たちが観測できるほど近くまで太陽風が入って来られないからです。もう1つの理由は、次の「なぜ」でお話しましょう。