29.太陽活動が下がると地球はどうなるの?

30.過去の太陽活動をどうやって知るの?

 ガリレオによる黒点観測から今までの400年間については、太陽面のスケッチが記録として残っています。では、それより前の太陽活動は、どうすれば知ることができるのでしょう。1つの方法として、屋久杉のような長生きをした木の年輪を調べる方法があります。

 どんな方法なのか、まずは銀河宇宙線から説明しましょう。宇宙のはるかかなたから飛来してくる高エネルギー粒子、銀河宇宙線。太陽活動度が上がると、地球に降り注ぐ銀河宇宙線の量が減るという関係が知られています。これは、太陽の強い磁場が、銀河宇宙線の流入を妨げるためです。さて、銀河宇宙線が地球大気と反応すると、放射性炭素がつくられます。ご存知のように、植物は光合成によって二酸化炭素を取り込みますね。この二酸化炭素には、宇宙線によってつくられた放射性炭素が含まれているのです。

 木の年輪を1年分ごとに調べて、放射性炭素の量を測定すれば、1年ごとの宇宙線量が分ります。そうすれば、太陽活動度が推測できるというわけです。何千年にもわたって蓄積された極地方の氷からも、似たような方法で昔の太陽活動度を推測することができるんですよ。

 ガリレオが望遠鏡で黒点を観測した後の17世紀中ごろ、数十年に渡って、黒点がほとんど現れない、太陽の磁気活動が異常に下がった期間がありました。この期間を、発見者マウンダーにちなんで、マウンダー極小期と呼びます。このとき地球上では、小氷河期とでも呼べそうな、寒い気候が続いたと言われています。ロンドンのテムズ川も凍ったという記録が残っています。

 これ以前にも、似たような極小期がありました。1300年ごろのウォルフ極小期、1500年ごろのシュペーラー極小期です。太陽活動度の変化と地球の気候の変化は、長期的に見てどのような関係があるのでしょうか。これは、現在の主要な研究テーマの1つになっています。