24.CMEが起きるとどうなるの?

 CMEがたまたま地球の方向に飛び出すと、2-3日かけて地球にやってきます。CMEは、ガスと同時に磁力線も太陽から運んでくるため、地球の磁場と相互作用をして、地球の磁場の勢力(磁気圏)にエネルギーが流れ込んでくることがあります。これが、磁気嵐やオーロラを引き起こす、要因の1つと考えられています。したがって、地球方向に飛んでくるCMEを観測することは、地球周辺の宇宙空間の環境にとって重要なテーマです。

 ところで、太陽から“横に”飛び出すCMEは観測しやすいのですが、地球に向かって飛んでくるCMEは、コロナグラフを用いても観測しづらいものです。そこで、太陽と地球を結ぶラインからずれたところに、CMEを観測するための人工衛星を配置して、地球に向かって飛んでくるCMEを“横から”観測しようという試みが計画されています。

25.コロナに穴があるってほんと?


NASAが計画中のSTEREO衛星。2つの太陽観測衛星で、太陽を違う角度から観測し、太陽コロナやCMEの立体構造を探ります。

 ほんとです。コロナは、100万度にも達する高温のガス。そのような高温のガスからは、X線と呼ばれる光が放射されます。太陽全面のX線写真を見ると、極域に暗い部分があります。これがコロナホール(コロナの穴)です。「オーラ50のなぜ」27で、オーロラの原因の1つがコロナホールだというお話しをしましたね。覚えていますか?

 コロナホールは、基本的に単極(N極ならN極だけ、S極ならS極だけ)の磁場領域になっているので、“閉じた”磁力線が存在しません。磁力線に閉じ込められているガスが存在しないため、暗く見えているのです。

 コロナホールは、1970年代にNASAのスカイラブ衛星によって、初めて観測されました。そのときは、人間が実際に衛星に乗り込んで、X線カメラで太陽を撮影していました。その後1990年代には、日本の太陽観測衛星「ようこう」がCCDカメラを用いて、自動的に太陽のX線写真を何百万枚も撮影し、コロナホールの研究が飛躍的に進みました。