36.オーロラは何かの前ぶれなの?

 オーロラが現れると何か大事件が起きると、中世の人たちは心から信じていたそうです。世界史は政変の歴史ですから、不安におののいていた当時の人の気持ちが判るような気がしますね。「オーロラが大地震や火山の爆発の前ぶれである」と主張する科学者はいませんが、逆に大地震によってオーロラが活発化すると考えている人はいます。地震の震動から出た波が、電離層を刺激してオーロラを発生させるというのです。
 
赤いオーロラは、地の果てである北の空からやって来るので、中世ヨーロッパの人々は、神の怒りであると怖れていました。不吉の前兆だと思っていたわけです。ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」の最後、「神々のたそがれ」には、天上の神々が炎上するシーンがあります。ドイツのヒットラーは大のワーグナー好きで、「私の最期は神々のたそがれである」と、生前よく周りの者に言っていたそうです。折しも彼がポーランドに侵入する前日に、大磁気嵐が発生し、真紅のオーロラが全天に拡がりました。ヒットラーの作戦は失敗に終わりました。
 
中国でも、赤いオーロラは不吉の前兆ととらえられ、政治の大変革の前ぶれと考えられていました。たしかに、赤は血を連想させますね。