23.オーロラから音が聞こえるの?

 オーロラの音を聞いたという人もいますが、科学的には証明されていません。ご存じのように、音は空気の中を伝わる縦波です。この波が私たちの耳の鼓膜を震わせ、音として感じるわけです。
 
昔から、聞いたというオーロラの音に共通しているのは、「ヒューッ」とか「スーッ」という音で、静寂の中で木々が風で揺れる音、着ている防寒具などがこすれる音に似ています。また、オーロラの音はいまだかつて録音されたことはないので、その実態は不明のままです。
 
オーロラが発生する高度では、空気の密度が低く、音を伝播させるには十分ではありません。また、オーロラから音を聞いたという人の多くは、オーロラの動きに合わせて音も変化したといいますが、これは音の速度から考えて矛盾します。もし本当にオーロラから音が出て、地上まで伝播してくるとしたら、5分以上時間がかかるはずだからです。
 
ひとつの可能性は、オーロラから出た電波が、人間の脳で音の感覚に変換されるのではないかということ。実際、オーロラの音を何回も聞いた人がいる一方、聞こえない人には全く聞こえないようです。一説によると、犬がオーロラの音に反応するともいわれています。

24.オーロラは人工的に作れるの?

 作れます。胃の検査のときに使うバリウムなど、電離しやすいタネをロケットに積み込み、地上100 km以上で放出してやるだけのことです。この人工オーロラの実験は、オーロラの原理を試すというよりも、むしろ上層大気の風や電磁場の強さを測定する手段として使われます。人工オーロラの動きを観測して、上層大気の電気の状態を捉えるのが目的なのです。
 
発射されたバリウムの一部に、太陽の紫外線が当たって電離されイオンになります。イオンは紫や赤の光を放ち、残された中性のバリウムはグリーンに光ります。このように、人工オーロラの実験には太陽光が必要なため、地球が丸いことを利用して、実験は日没頃に行われるのが通常です。地上ではうす暗くなって、つくられたオーロラが観測しやすいためです。
 
また、実験室でオーロラをつくることもできます。有名なのは、近代オーロラ科学の創始者ビルケランド(オスロ大学教授)の実験です。19世紀末、真空にした箱の中に地球に見たてた磁石を置き、横の方からプラズマを当て、オーロラが発生することを示しました。これは、太陽風プラズマが発見されるずっと前のことです。
 
ビルケランドの実験と原理的に同じ装置は、東京にある科学技術館を始めとして、全国の科学館にいくつか置かれています。