これまでの成果

 

  大型CCDカメラの開発

これまでに、Texas Instruments1 k × 1kCCD9個利用した冷却CCDカメラ(MOACAM1)SITe2k × 4kCCD3個使用したMOACAM2の開発に成功した。MOACAM2は、現在世界で最大級(6cm × 6cm)CCDカメラで、量子効率も90%以上と高い。最近いわゆるデジカメが流行しているが、これは2400万画素のデジカメである。あまりにデータ量が多く、解析に困難をきたす程である。

 

  マイクロレンズ事象の観測

これまでに、多くのマイクロレンズ事象の候補(主として銀河中心)を観測して来た。これらの中には、極端に増光率が高く、光源星が有限の大きさを持つ効果が観測され、光源星の大気の様子がわかった例、二重星のMACHO、惑星による増光を含む事象等が観測されている。

 

  IC5249銀河のハロー

IC5249は、南天の渦状銀河で、地球からはこの銀河の円盤を真横から見る位置にある。こうした銀河には、その周りにかすかな光芒が取り巻いている事が知られており、この光芒とダークマターとの関係を調べるため、長時間露出を行った多数の画像を合成してこの光芒の分布を測定した。

 

  太陽系外惑星系の発見

銀河中心方向のマイクロレンズ事象の多くは、恒星によって引き起こされていると考えられている。こうした恒星の中には、その周りに太陽系の様な惑星系を伴っているものもあると考えられ、そうした惑星によるマイクロレンズ効果が光度曲線のこぶとして観測される事が考えられる。これまでにそれらしい事象が2例程見つかっており、昨年発見された例は、地球と同じ位の質量の惑星によると考えられている。

 

  大小マゼラン雲の変光星

マイクロレンズ事象の探索は、非常に多くの星の光度を常時観測する事によって行われる。この結果、副産物として多数の変光星(光度を変える星)が観測される。これまでの変光星の観測は、これはという星を集中的に光度測定するいわば”一点集中方式”で行われて来た。それに対してマイクロレンズ探索では、非常に多くの星に対して均一なデータが得られ、系統的な変光星の探索や統計処理が可能となる。これまでの解析で、大マゼラン雲の中にいくつかの”色を変えない”変光星が見つかっている。通常の変光星は光度とともにその色を変えるので、色を変えない変光は、星の周りのダストによるものではないかと考えられている。