名古屋大学太陽地球環境研究所

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磁気嵐の開始直後に北海道で観測された低緯度オーロラ

【ポイント】 名古屋大学太陽地球環境研究所は、九州大学、米国のジョンズ・ホプキンス大学、NOAA、カリフォルニア大学、サウスウェスト研究所と共同で、北海道で観測された低緯度オーロラの源が、地球に近い宇宙空間(ジオスペース)での磁気嵐の開始直後の急激な粒子加速に起因している事を明らかにした。

【背景】 これまでの低緯度オーロラは、磁気嵐が発達するにつれ、通常の高緯度地域から徐々に北海道付近まで広がってきていると考えられてきた。しかし太陽地球環境研究所のこれまでの20例以上の北海道での低緯度オーロラの観測から、磁気嵐が開始してから1.5時間という短い時間で北海道でオーロラが現れている例が数例見つかっていた。

【研究の内容】 今回の研究では、2001年10月21日の磁気嵐開始直後に北海道陸別町銀河の森天文台で観測された特異な低緯度オーロラの原因を、米国NASAがジョンズ・ホプキンス大学、カリフォルニア大学、サウスウェスト研究所等と共同で開発したイメージ衛星によるジオスペースのプラズマ粒子の同時観測データなどを使って調べた。その結果、地球に近い(地球半径の2倍程度の距離)宇宙空間で急激に高エネルギー(数十キロ電子ボルト)の水素イオンや酸素イオンが加熱されて地球の外圏大気にぶつかり、低緯度オーロラが発生していたことが示唆された。

【成果の意義】 このオーロラを引き起こしている高エネルギーイオンは、人工衛星に衝突すると機器の障害を引き起こす可能性があることが知られている。今回の研究は、磁気嵐開始直後に、高エネルギー粒子がかなり地球に近いところまで入り込んでくる場合があることを示す重要な結果である。

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【用語説明】 磁気嵐:太陽面の爆発などによって地球周辺の地磁気が大きく乱され、高エネルギーのプラズマ粒子が地球周辺に到来する現象。平均すると月に1回程度発生し、1回の継続時間は数日程度。

【論文名】 この研究成果は、2013年1月31日発行の米国地球物理学会誌(Journal of Geophysical Research)でオンライン発表された。

Shiokawa, K., Y. Miyoshi, P. C. Brandt, D. S. Evans, H. U. Frey, J. Goldstein,and K. Yumoto (2013), Ground and satellite observations of low-latitude red auroras at the initial phase of magnetic storms, J. Geophys. Res., 118, doi:10.1029/2012JA018001.

【問合せ先】
名古屋大学太陽地球環境研究所
教授 塩川 和夫
TEL:052-747-6419
FAX:052-747-6323
E-mail:shiokawa at stelab.nagoya-u.ac.jp

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